「郷 愁」 詞 海野厚 曲 ビショップ
さすらう旅の果（は）てにして、
はかなく病めば、秋の日の
思いは遠し、夢にみる
幼きころの故郷（こきょう）の家
ああ、懐（なつか）しや、夢は帰る、故郷の家
夕（ゆうべ）の月のかげにさえ
昔の家はほの見えて
門辺（かどべ）の榎（えのき）、庭の柿
響くは遠き紡車（いとぐるま）
ああ、懐しや、夢は帰る、故郷の家
空（むな）しく旅はかさなりて
悲しき夢は一人ゆく
海山遠く、末（すえ）遠く
故郷の空の旧（ふる）き家
ああ、懐しや、夢は帰る、故郷の家
※旧漢字、旧仮名づかいを、新漢字、新仮名づかいに替えています。
※海野厚は学生時代に静岡から東京へ出てきて、２８歳の時に病気でなくなりましたが、
その少し前に、海野家自体も静岡にあった先祖伝来の広大な土地と家を人に譲って
東京に移り住みました。自分の境遇と故郷を思う気持ちを素直に率直に表した詩のよう
に思います。
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